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結婚相手が別の家庭を持ち、二重生活を送っていることに気づいたら、ショックで立ち直れませんよね。

 

弓子さん(仮名)は、夫に別の家庭があることに気づいた不運な女性のひとりでした。

 

しかし、彼女は泣き寝入りするのではなく、行動を起こしました。

 

今回は弓子さんの体験談を前後編でご紹介します。

 

前編では、会社経営者の夫が、別宅で二重生活を送っていることが探偵の調査で判明したことをお伝えしました。後編では、弓子さんの思い切った決断をご紹介します。

 

 

夫の浮気は許せない。でも、貧乏には戻りたくない

 

写真に写っている子どもの顔は、どことなく夫と似ていました。
 
私との間に子どもがいるにも関わらず、別の女とも子どもを作っていたのです。
 
許せない。そう思いました。
 
でも今離婚したら夫は私の母への仕送りもやめるでしょうし、私の生活も貧しくなるのは目に見えていました。
 
離婚したいという思いと、離婚は怖いという思いの狭間で揺れ動いたあと、弁護士に相談することにしました。
 
弁護士には、「旦那さんの不倫は、不倫の中でもかなり悪質。慰謝料は300万円はとれるだろう」と言われました。
 
さらに知らなかったのですが、婚姻期間中に築いた財産は夫婦できっかり半分にできるということも知りました。
 
私たちの婚姻期間は10年でしたから、数千万にはなるはずです。これでしばらくは暮らしていける、と思いました。
 
離婚しよう。そう決めたのです。
 

離婚を突きつけた夫の以外な反応

 

覚悟を決めた私は夫にすべてを知っているから離婚してほしい、と言いました。
 
夫は、正直に話してくれました。5年ほど前から取引先の会社の重役であった女性と不倫関係になったこと。
 
女性の年齢が自分と同い年であったために、妊娠の心配はないと油断していたために子どもができてしまったこと。
 
産みたいという彼女の気持ちを否定できなかったこと。
 
さらに、彼女に対して愛情はあるけれど弓子のことを愛している別れたくない、とまで彼は言いました。
 
話を聞く前は彼はきっと、不倫相手のことをごまかすか、遊びだったと弁明するのだろうなと思っていましたが、彼は、彼女のことも愛していると言ったのです。
 
あまりに正直すぎて、ちょっと笑ってしまいました。
 
これまで甘やかされて愛されて、許されて育った人なんだろうなあ、と思いました。
 
イラつきましたが、正直、夫のことをどこか見直す気持ちも芽生えました。
 
だって私の実の父親は、妊娠させておきながら養育費を踏み倒すような人でなしだったんです。
 
それに比べて夫は、ふたりの女性を愛し、きっちり責任も果たしていた。そう考えると、夫に対する憎しみは薄れていきました。
 
私は夫に、「養育費を一括で払ってほしい。彼女にも。私にも」という条件を突きつけました。
 
夫はびっくりしていました。子どもに罪はありません。
 
私たちの恋愛沙汰で、子どもたちが貧困に陥るのだけは避けたいと思ったんです。
 
夫は20歳になるまでの養育費をきっちりと私の口座に振り込んでくれました。不倫相手の彼女にも支払うと言っていました。
 
まだ離婚調停は終わっていませんが、すでになんだかスッキリした気持ちでいます。
 
まだまだ私は若いですから、自分の取り分はきっちりと受け取って、それを元手に第二の人生をやり直したいと思っています。
 
(今来 今/ライター)
 
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